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予防歯科で虫歯・歯周病は本当に防げる?最新データから読み解く「一生モノの歯」の守り方

こんにちは!

尼崎市の歯医者の今井歯科クリニックです。

「毎日磨いているはずなのに、また虫歯が見つかった……」

「大人になってから、歯ぐきの腫れや出血が気になるようになった」

そんな悩みをお持ちの方は少なくありません。厚生労働省が発表した「令和6年 歯科疾患実態調査」の最新データを紐解くと、私たちが健康な歯を維持するために「何が足りないのか」、そして「予防歯科がどれほど劇的な効果をもたらすのか」が鮮明に見えてきます。

今回は、最新統計を基に予防歯科の実態と、大人こそが向き合うべき歯周病のリスクについて解説します。

「予防歯科で本当に虫歯は防げるのか?」という問いに対し、データは「YES」と答えています。

今回の調査では、乳歯・永久歯ともに「う蝕(虫歯)経験を有する者の割合」は、過去の調査と比較して概ね減少傾向にあります 。この背景にある大きな要因の一つが、フッ化物の応用です。

出典:厚生労働省「令和6年 歯科疾患実態調査結果の概要」図21

フッ化物利用の効果

調査によると、1歳以上の70.2%がフッ化物応用の経験ありと回答しています 。特に5〜9歳では95.5%に達しており 、子供世代の虫歯予防に大きく貢献しています。

大人の場合も、30代から50代にかけて8割前後が利用経験を持っていますが 、注目すべきは「根面う蝕(歯の根元の虫歯)」です。30歳以降から未処置の根面う蝕が見られ始め、85歳以上では19.0%に達します 。加齢や歯周病で露出した歯の根元は非常に弱いため、大人こそフッ化物配合歯磨剤などの継続的な予防処置が不可欠なのです。

日本人の歯磨き習慣は非常に高い水準にあります。1歳以上の97.2%が毎日歯を磨いており、さらに「毎日2回以上」磨く人は82.0%と増加傾向にあります 。

歯間清掃の重要性

歯ブラシに加えてデンタルフロスや歯間ブラシを併用している人の割合は、全体で63.4%です 。

  • 男性: 53.9%
  • 女性: 71.4%

特に男性の20〜24歳では22.9%にとどまっており 、働き盛りの世代ほどケアが追いついていない実態が浮き彫りになりました。歯ブラシだけでは汚れの6割程度しか落とせないと言われており、この「残りの4割」が、大人を苦しめる歯周病の原因となります。

大人の予防歯科において、虫歯以上に警戒すべきが歯周病(歯肉の状況)です。歯周病は、自覚症状がないまま進行し、最終的に健康な歯を根こそぎ奪っていく「サイレント・キラー」です。

出典:厚生労働省「令和6年 歯科疾患実態調査結果の概要」図19

衝撃の歯周ポケットデータ

今回の調査では、4mm以上の歯周ポケット(歯周病の指標)を持つ人の割合が、多くの年代で増加しています 。

  • 45〜54歳: 43.0%
  • 75歳以上: 56.5%

45歳を超えると、約2人に1人が本格的な歯周病のリスクを抱えています。さらに、歯肉からの出血がある人は80〜84歳で50.3%に達します 。

歯周病の菌は、お口の中だけにとどまりません。近年の研究では、歯周病菌が血管を通じて全身に回り、糖尿病、心疾患、認知症などの全身疾患を悪化させることが判明しています。まさに、予防歯科は「お口の健康」だけでなく「命を守るケア」なのです。

かつては「年をとれば歯を失うのは当たり前」と思われていました。しかし、予防歯科の普及により、80歳で20本の歯を残す「8020運動」の達成者は、今回約61.5%と推計され、前回調査の51.6%から大きく向上しました 。

その鍵を握るのが、定期的な歯科検診です。

出典:厚生労働省「令和6年 歯科疾患実態調査結果の概要」図25

過去1年間に歯科検診を受けた人のうち、55.7%が「(かかりつけ)歯科医院での定期的な検診」を受けています 。 歯科医院でのプロフェッショナルケア(クリーニングや歯石除去)を定期的に受けることで、

  1. 初期虫歯の再石灰化(削らずに治す)
  2. 歯周ポケット内の除菌
  3. 自分に合ったセルフケア指導

が可能になり、生涯を通じた健康維持が可能になります。

今日から始める、未来への投資

厚生労働省のデータは、私たちが歯を磨く習慣を持ちながらも、「歯間の清掃」や「定期的なプロのチェック」にまだ伸びしろがあることを示しています。

「痛くなってから行く場所」から「健康を維持するために行く場所」へ。

予防歯科へのシフトは、美味しい食事を一生楽しみ、全身の健康を守るための最も確実な投資です。

まずは、お近くの歯科医院で「定期検診」の予約を入れることから始めてみませんか?